アキラのランド節

大学に秘書? [11/05/2001]


私が今の勤務先を好きな理由のひとつに、教員の講義用印刷物を作ったり、お茶入れたりする雑用係・アシスタントなど雇っていないということがあげられる。東大名誉教授で定年後、私立大学に「天下り」に来ました〜〜という種類の方も自分で印刷機を操作して、講義用のハンドアウトを作る。なかには、「こんなこと大学教授がすることではないよ!」と、怒りながら愚痴りながら印刷している同僚がいるが、そういうの(男だよ、みな)は、馬鹿である。何様のつもりか。たかが教育サーヴィス労働者じゃないか。それ以上のことを何かしているというのか?こいつらは、秘書などいたら、何でも押し付けるつもりだ。それほどして時間を確保しても、意義ある仕事ができるわけでもないのに。人文系の学者の忙しさなど、どうということはない程度のものじゃないか。自分で金だして秘書雇え!

だいたいが、あそこには学科ごとの共同研究室などないのだ。秘書だの、アシスタントだの、人文系学者の半端仕事手伝う人間など設置しておく場所はないのだ。だから、集まってお茶して雑談に興じるなどという下らない習慣が、教員間にはない。共同研究室必要論を言い立てる同僚もいるが、同僚間のコミュニケーション?クラブや同好会ではあるまいし、どうでもいいよ、そんなこと。凡人が二人以上集まれば、ろくな話にならない。だいたいが人事の噂に人の悪口。私は、前の名古屋のキリスト教系女子大での経験から、こういうことの弊害は骨身にしみている。そこは、やたら共同研究室で集まって世間話を何時間もしているジジイやババアたちが多かった(三十代でもそんな奴はジジイにババアだよ)し、それが会議のつもりで、ほんとうの会議を開かなかったりしていた。そういう時間感覚、組織感覚の仕事ぶりには、非常に迷惑をかけられた。表立った会議で堂々と言えないことは、言う必要のないことだ。内輪の学科ではやたらゴチャゴチャしゃべるが、教授会のようなところでは論を張れないのならば、どこでも黙っていればいいのだ。そういえば、あいつらの出身家庭は地方公務員が多かったな。寄生虫性が遺伝子に組み込まれていたな。研究費で、自分の娘用にNHKラジオ仏語会話テキストを購入してる理事もいた。

あの秘書とかアシスタントとかいう女の子(まあ、ずっと転進せずに40歳過ぎているアシスタントもいたが)もなあ、機械がやれるような仕事をわざわざ時間かけてやって、ジジイにお茶いれて、ジジイのお守りなんぞして、みじめではないのだろうか?金にもならんホステスなんか、やってもしかたない。私は、院生時代に、アルバイトで、愛知県癌センターの総長(文化勲章もらった立派な方だった)秘書というのを一ヶ月だけやったが、あれはみじめだった。人の手足だもん。若いころ、アルバイトはいろいろやったが、あれは例外的に悪夢的に惨めな仕事だったな・・・・あの寂しさは今でも、ふと思い出すよ。