アキラのランド節

梅雨を歩き旅する。  [06/22/2008]


雨です。梅雨です。どしゃぶりです。今日は、単なる覚え書きです。テーマないです。

私は、気が向くと、雨でも散歩に出かけます。外気に触れながら、ほっつき歩くのは楽しい。手相学的に言うと、私のように、生命線と頭脳線の基点が7ミリ以上離れていて、手が小さい女性には、放浪癖があるそうです。「山下清」ですね。そういえば、卒論や修士論文に選んだ作家がマーク・トウェイン(Mark Twain:1835-1910)だった理由も、トウェインの代表作『ハックルベリー・フィンの冒険』(The Adventures of Huckleberry Finn,1984)の主人公の少年が、「何か欲しいわけじゃない。どこか遠くに行きたいだけ」と言っていたというだけのことだったな。

昨日の土曜日も、ピンクの傘をさして自宅から2キロぐらい離れた神社まで歩いて到着したら、にっちもさっちもいかない以上のどしゃぶりになったんで、雨の振り込まない場所に「運動会座り」して、ボケ〜〜としておりました。「今日は5時からNHKで『太王四神記』の特集やるなあ。ヨン様出るなあ。キハもスジニも出るから、5時までには帰ろう〜〜」などと思っていたら、亀が境内をのろのろと横切っているのが目に入りました。今は亀の産卵期。

『太王四神記』で主人公の古代高句麗人たちが探求する4つの神器は、青龍&白虎&玄武&朱雀という神獣の力を呼び起こします。「亀は玄武だなあ〜〜そうか、ガメラは玄武か。モスラは朱雀か。キングギドラは青龍だな。じゃあ、ゴジラが白虎になるのかな。あ、ちょっと違うかな。白いゴジラはきもいな。マシュマロマンみたいだな」とか、しょーもないこと考えました。

雨が少しおさまってきたので、また歩き出しました。遠くにラヴ・ホテルの看板が見えました。「私が、ラヴ・ホテルの経営者だったら、どうするかな〜〜」とか、またも、しょーもないこと考えました。なんとなれば、(私が知る限り)外国に「性的コミュニケーション専用ホテル」ってないので、うまくやれば、日本が誇れる文化になりうるんじゃないかと私は思っているからです。日本に来る外国人観光客が一度は行ってみたい一種のテーマパークになったら、いいと思う。冗談で言ってませんよ〜〜本気です。

なにしろ、日本は『源氏物語』を生んだ国なんだからさ。あの主人公の光源氏のキャラは、若い頃の私には理解できなかったが、「何やってんかねえ、こいつは?」という感じだったが、今は「いい男である!!」と評価できます。はい。

日本で遅れているのは、ズバリ「人間」ですからね。虚飾を剥ぎ取った素の人間が立ち現れるのが「性的コミュニケーション」ですからね。互いに搾取的でない自由闊達で温かい人間関係がない国って、寂しいでしょう?可愛げのないガキ(男)とお母ちゃん(男のケアすることしか暇つぶしがない女)の関係だけが男女関係のモデルなんて国の国民は、まだまだ精神年齢が12歳ですわ。日本人の知的情緒的水準を上げるには、そこあたりからからも、というのがフェミニストとしての私の見解でしてって誰も聞いてくれないが・・・

教師という職業には飽きがきているので、どこかのラヴ・ホテルの経営者の方が、私を雇われ店長として高給で雇ってくれないかな。ファッション雑誌や情報雑誌に売り込んで、清新でダイナミックな性文化の育成に寄与したいです。はっきり、「いい女」や「いい男」を育てる環境を整備したい。はい。日本では、老いも若きも男がつまらんから。日本で女に生まれてもつまらんと思うよ、このまんまでは。韓国の男優に奥さんの関心とられているなんて、日本の男の恥だぞ。

私がラヴ・ホテルの運営を任されたら、ホテルの名前は、ずばり「Godzilla」にします。ホテル中にゴジラを置きます。ロゴもゴジラ。ゴジラみたいに大きくなろう!ってコンセプトで。20世紀日本が生んだ聖獣だもん。あれ?ゴジラって哺乳類?爬虫類?両生類?

ラヴ・ホテルには「学割」とか「高齢者割引」とか「家族割引」とか「グループ割引」とか「おひとり様割引」とか「外国人割引(ドル&ユーロ&元&ウォンで支払い可)」は、すでにあるんでしょうね。ない?うそ〜〜もったいない!!高齢者割引は、年齢が高くなればなるほど割引率を高くしたい。ゲートボールなんかやっている場合じゃないって。ボケ防止&セクハラ防止には純愛だって。それから、中国の方や韓国の方はエネルギーあるから、大いに利用していただきましょう!

それから、サイズ多様なコスプレ衣装無料貸し出し、トランプ、百人一首、ゲームソフトの無料貸し出しに、カラオケやDVDやビデオ撮影機&再生機にPC無線ラン使用無料とかは前提でしょう。近所のレストランとの提携でルーム・サーヴスも古典的に前提だな。お泊り客には、もれなく「オムライス・サーヴィス」ってのは、どうだろうか?なんでオムライスかって?私が好きなんだよ!「集会&会議使用可」というのもいいし、「同窓会承ります」もいいですね。ホテル業は空間の時間貸しですから在庫がききませんから、やれることはやっておかないと。

「未知との遭遇」という名称のサーヴスで、テキトーに知らない人と出会って、おしゃべりするサロンなんかを開設するのもいいですね。英語サロンもいいなあ。「出会い系サイト」より、はるかに安全ですよ。コアリズムを教える美容ジムとか各種のダンス教室を併設ってのもいいなあ。ダンスって楽しいでしょう?タンゴなんか見てるだけで、ドキドキする。

「未来の顧客開拓&未来の有為の従業員確保事業」として、ラヴ・ホテルの社会的使命について高校や大学に出張講義に行くのもいいなあ。学生さんをアルバイトで雇って、あちこちのラヴ・ホテルを利用してもらってレポートをウエッブサイトに載せて、★3つ〜〜とか査定して、消費者の便宜を図るというのもいいですね。『ミシュラン・ラヴホテル』ね。純利益の一部は、性病撲滅プロジェクトとか少子化対策プロジェクトとか小児科医育成奨学金プロジェクトに寄付するとか。

ここまで考えて、採算が取れんな・・・と気がついて、私は妄想をふくらませるのをやめました。何事にも、数字の計算ができない私。

帰宅して、シャワーで身を清めまして、『太王四神記』主演の男優さんや女優さんの特別インタヴュー番組を視聴しました。「韓国のスターさんたちは綺麗な明るい澄んだ顔しているなあ〜〜若いのにしっかりしているなあ〜〜真面目だな〜〜日本の同世代のスターさんは顔も品がないし汚いし馬鹿で、まともなこと話せないのになあ〜〜考えていることの程度が低いから顔に出るんだな〜〜あああ〜〜ニッポンのドラマは内容がないよう〜〜♪」などと思いました。

ところで、研究休暇のこの1年は、いつもならば、できないことをやろう〜〜ということで、本ウエッブサイトの読者の方で「お会いしましょう〜〜」と言ってくださる方がいると、「じゃあ、そうしましょう〜〜」ということで、先日も金沢に行ってきました。

私に社交辞令は通じない。ほんとに行っちゃう。人見知りなんかしない。親兄弟だろうが、夫だろうが妻だろうが、友人知人だろうが、日本人だろうが外国人だろうが、男だろうが女だろうがゲイだろうが、世代がどうであろうと、職種がどうであろうと、他人は自分とは違うと骨身に染みて思い定めたら、他人は全部宇宙人。私だけが地球人。もうバルタン星人でも何星人でもいいよ。話して気持ちのいい方々であればOKです。だいたいが、嫌な奴とか暗い奴とかキモイ奴とか、不成仏霊とか浮遊霊とか地縛霊とかは、私に寄ってこない。誰だって相手を選ぶよな。

その読者の方は、金沢で古書店Duckbill(http://www.duckbill.co.jp/)を経営なさっておられます。私より20年くらい年下の女性です。ここでは仮にDuckbillさんとお呼びいたしましょう〜ってそのまんまですが。Duckbillさんは、某国立大学を出てから東京で会社員をなさっていたのですが、脱サラして、パートナーの方と古書店を金沢で経営し始めて、はや10年が経過したそうです。お若いのにすごいです。地元の新聞にエッセイなどお書きになっている方でもあります。

6月半ば過ぎの梅雨の晴れ間の日に、金沢の中心地より自動車で20分ほどの地点にある深谷温泉あたりから、もっともっと山道を昇ったあたりの山腹にある、高台というか崖の上に位置する、Duckbillさんのご住居兼店舗に、私は厚かましく押しかけました。

書庫でひとしきり本(商品)を漁らせていただいた後は、囲炉裏端を改造しストーブを設置した居心地の良い(cozy)居間で、おいしいハーブ・ティーと果物をいただきながら、おしゃべりに興じました。次は、昼下がりの風に吹かれながら、裏の畑のわき道や、近所の小学校廃校跡地あたりまで散歩しながら、またおしゃべりしました。次は、明るい青い空の向こうから夕暮れが迫ってくる気配を感じつつ、玄関のポーチのベンチに腰掛けて、あたりの緑の山々を望みながら、お家が立つ崖(高台)の上から、道路をへだててある貯水池の睡蓮を見下ろしながら、またまた延々とおしゃべりしました。

Duckbillさんのご自宅兼店舗から見る眺めは、とてもいいです。「天国感」があります。頭の芯が澄み切るような感じです。実に気持ちのいいひとときを過ごすことができました。

厚かましいついでに、シソ科ハッカ属のミントの植木鉢も拝領してきました。お庭に蜜柑の木があり、その実からDuckbillさんが作ったマーマレードもgetしてきました。ははは。ミントの葉っぱもマーマレードも紅茶にいれちゃえ。いい香りです。いい味です。ありがとうございます、Duckbillさん。

Duckbillさんのご自宅兼店舗は、アメリカ人女性カップルから購入しました。前の持ち主のアメリカ人女性カップルのおひとりは翻訳家兼ライターで、もうおひとりは音楽家です。おふたりの感性を生かして、共同で陶芸作品を製作していたそうです。その作品を展覧会などで披露したり販売なさってもいたようです(http://www.christienaprince.com/index.html)。その作品のひとつである陶器の人形が今はDuckbillさんの書斎であるお部屋に飾ってありましたが、すっごく素敵でした。あれは売れるなあ。おふたりのうち、おひとりの女性は、料理の名手でもあるとお見受けしました。台所の使い勝手が、とてもよさそうでした。いわゆる「システム・キッチン」ってのは、料理実践用じゃないからね。あれは「見せびらかし用」だから。

(ところで、アメリカはカリフォルニア州で、やっと同性婚が合法的になりましたね!よかったなあ!愛に性別はない!反対するほうが変態じゃ、無知蒙昧じゃ、冷血じゃ、Christian Coalitionじゃ)

このアメリカ人女性カップルは、最初は金沢の市街地に住んでいたのですが、この山間に遊びに来て、ほとんど廃屋化していたこの民家を見たとき、「一目惚れ」したそうです。即、購入を決めたそうです。西洋人が惚れ込むだけのことはあります。この金沢の郊外の山間の民家は、イギリスは中部に位置するストラットフォード・アポン・エイボン(シェークスピアの生誕地)の民家のようなハーフ・ティンバー様式(外観が白い壁で黒い柱や梁がむきだしになって、その白と黒の配列が美しい)に似ていますから。

ともあれ、このアメリカからの女性の旅人たちのおかげで、日本の北国の山村の古民家が再生しました。この女性たちは、その古い農家を、あちこち洋風に改造しました。庭にレンガ敷きの道を作り、花壇を作り、長年慈しみ大事に愛して居住しました。この女性たちは、一種のリバタリアンです。さすがアメリカ女。ガッツが違う。生活力が違う。

15年ほどが経過して、事情でその女性たちは帰国することになりました。そのとき、そのお家を譲り受け購入なさったのが、その女性たちの知り合いであったDuckbillさんでした。「愛してきた家だからこそ、買ってくれるならば誰でもいいって、わけにはいきません」ということですね。

というわけで、Duckbillさんのお宅は、日本の古い農家と開拓時代のアメリカの民家の様式、Early American Styleの雰囲気が合体しているのです。その折衷具合は、とても自然です。天井に渡された黒ずんだ重厚な木の梁や柱の趣も素晴らしい。床の羽目板の黒光りした艶も素晴らしい。玄関の天井に巣をかけて飛び回っているツバメも愛らしい。カラスは可愛くないが、ツバメはいいな。

ちなみに、前の持ち主のアメリカ人女性カップルのおひとりのPatty Christina Willisさんが、このお宅と近隣を題材にしてファンタジーをお書きになり、樹心社から2005年に出版しておられます。『星の降る村』(The Village above the Stars:腰本文子訳・1800円)という題名です。とても面白いです。私は、そのお宅と近隣の風景を見たので、事実から物語を紡ぎだす想像力の生き生きとした具体例を見て、なおさらに面白く読みました。あの山間の風景が発散する空気や天国感がよく描出されています。ご興味のおありになる方は御一読を。古書店Duckbillには、古書ではない『星の降る村』の在庫もありますので、こちら(http://www.duckbill.co.jp/)でご注文ください。アマゾンでも買えますよ。

本ウエッブサイトの数少ない読者の方々、どうせ古書を買うなら、「お仲間」のお店Duckbillで購入いたしましょう〜〜古書店Duckbillは、「日本の古本屋」(http://www.kosho.or.jp/servlet/top)にも所属しています。この古書店ネットワークには、私はほんとにお世話になっているなあ〜〜って、勝手に無断で宣伝していいのか?いいだろう〜〜♪

有意義な金沢訪問の最後の日の朝に、ホテルをチェック・アウトする前に、持参のLet’s Noteでメイルチェックしていたら、このウエッブサイトの「金沢市在住の」読者の方Aさんから、愛知県刈谷市図書館主宰の「森三郎賞」という童話コンクールで最優秀賞を獲得したというお知らせが入っておりました。

おお〜〜金沢にいるときに金沢の方からの嬉しいメイル。奇遇ですね〜〜「森三郎」氏とは、刈谷市が生んだ知る人ぞ知る童話作家です。選集に『夜長物語』とかがあります。すみません。読んだことありません。

Aさんの受賞作品は、ポプラ社から出版されるそうです。Aさんは、まだ幼い3人のお子さんを育てるのに忙しい「黄金の母時代」を満喫しておられるお若い主婦の方です。ご自分のBlogでいろいろお書きになっていたら、「そんなもんに書いてないで、なんか作品にしなさい」と助言してくださる方がいて、じゃあそうしようということで書いた作品が受賞したのです。素晴らしい!!な、なんと素晴らしい!授賞式は10月だそうです。行ってお会いしてこよう〜〜♪刈谷市なんてご近所ですよ。ついでに渥美半島に行って太平洋を見てこよう。

「文学研究者」なんて、作品を生み出せる作家に較べれば、ゴミだよな。他人が生み出したものに寄生するだけだもん。何か造ったり、生み出せるってことは素晴らしいな。せめて、優れた作家をきちんと評価して紹介することぐらいのことはしないとなあ・・・ああ・・・まだThe Virtue of Selfishnessの翻訳が終りません。もうちょっと、なんですが。小林旭さんの「歌手デヴュー50周年記念コンサート」を観に行く7月4日までには終らせたいなあ〜〜ご褒美をいただくのは、ちゃんと仕事してからでないと。

自分の中の「加藤君」と対話するために、心の奥底を勇気を出して直視するために、妄想力を鍛えるために、さあ、今日も散歩に出かけよう。歩こう。今日も、どしゃぶり。