書評    Almost Monthly Book Review
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■2003年1〜2月に読んだ本から

佐藤愛子
『私の遺書』
新潮社 2002.10 \1600


本書は著者の三十年に渡る壮絶なるオカルト心霊体験の総括です。こういう本を高名で立場も確立した作家が発表しても、「呆けた」と罵倒されない程度には、時代も変わった。しかし、心霊透視鏡でも発明されない限り、やはりこの種の本は、オカルト本の類に入れられるのだ、まだ当分は。みんな心霊世界を信じているくせに。

私が感銘したのは、この本の志の高さだ。著者は、昨今の日本人の劣化を、戦後のアメリカによる日本人骨抜き政策や、教育や経済の失敗のせいにしない。ズバリ、「日本人の波動が低くなったから」と断言する。波動が低いから、ろくでもない悪霊につけこまれて、ろくでもない犯罪が増えて、国運が落ちた、と明快豪快に断言する。この説を私は信じます。二一世紀の日本人は聖闘士星矢になろう。「お前のコスモを上げろ!」

あ、どうやって「波動をあげるか?」ですか?早起きして朝日を浴びて深呼吸すればいいらしいです。まあ、「引きこもり」とか「鬱病」なんて、朝早く起きれば治る気はしますね。朝早く起きると、人間って前向きにならざるをえないからね。


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